気付けばもう9月もおしまい。
随分冷たくなった風が肌を擦って過ぎて行きます。
凛とした空気に感覚が研ぎ澄まされる。
研ぎ澄まされた分だけ余白が生まれ、
何となく五感がもの寂しくて色々を求める季節であるけれど、
それだけに全てがはっきり存在する。
物事の本質を見やすいのは、この季節だなと思う。
まるで秋みたいな人がいる。
深く研ぎ澄まされた感性を持った、豊かで優しい人。
私はその人と見る景色が好き。
私の稚拙な表現も余す事なく理解してくれる安心感に
いつでも心のままに想いを言葉にする事が出来る。
その人は`興味の種´を沢山持っている。
沢山持っているから、人に分け与える事も出来る。
私もそうなりたい。
子供達に伝える立場であるから、それは大事な事だと思うから。
もしそう在れたら、彼らにも沢山の興味の種を分けてあげたい。
苗まで一緒に育ててみて、あとは委ねて見守る。
「見ててあげるから一人で育ててみてごらん。」
花を咲かせるのは子供たち。
実が生ったら嬉しくて、
また次の花も咲かそうとする。
そうするうちに彼らはいつの間にか、
自分で自分の種を蒔ける様になっている。
そんな良い循環が自然と身の回りで起こる様になるといい。
だから、秋みたいなあの人の様に、
私も沢山の興味の種を持っていたいと思う。
正面から物を見られる目を持ち、豊かな言葉を添えられる心で在りたい。
「実りの秋に何を実らせよう」と考えたりしたけど、
その前に、日々の中で自分自身を実らせなきゃね。