2007年12月15日土曜日

人が一人で生きて行けない動物でよかった。



今年も残すところあと僅かで、
毎年この頃になると微かな焦燥感、
そして冬の匂いと一緒に独特な懐古的な気持ちを味わうことになる。

ただ、今年はいつもと少し違うのは、次の扉をちょっぴり開いてみた様な、
もしかしたらまだノックした程度かもしれないけれど、
それでも新しい風が吹き込んでくる感覚をにわかに感じてる。
うまく言葉に出来ないけど。

実家の二階の窓で昔からやっていたのと同じ様に寄りかかっていると、
一瞬小さな頃の自分と並んで景色を眺めている感覚に陥ってハッとした。

あの頃、もっと背の小さかった頃、ここからどんな事を考え感じていたかな。
年月が経ち、身長も伸び歳も取り、
広く見渡せるようになった分だけ目を伏せたくなる現実にももちろん出遭うけれども、
それが歳を重ね大人になるということなのだろう。
今私は自分の志について、この先の時間をどう味わうかについて、
そして大切な人たちについてじんわり想っています。

人が一人で生きて行けない動物でよかった。
だって、それ故にお互いにぬくもりを放ち、こんなにも優しいものはないと思うから。
それは距離も超えるし器用さも選ばない。

今年どれ程の人とすれ違っただろう。
その内にどれ程の人と目を合わせ言葉を交わしただろう。
そして変わらない顔ぶれの皆とはそれぞれにどんな時間を共有出来ただろう。
生きていると嬉しいことも、もちろん悲しくて泣いてしまう事もあります。

だけど何よりも、
気付けばいつもそっと傍にいてくれる人たちに感謝のこころが止まなくて、
何はともあれそれだけで今年も幸せだったと、
1年の節目に差し掛かろうとする今、思うのです。