2008年3月2日日曜日

今朝のはなし。


今朝一番の便に乗る為に空もまだ暗いうちから家を出るも、
遅れたらアウトと意気込みすぎて空港に早めに到着し過ぎた。
スッピンの上に眠すぎる目はまるでお地蔵さま。

でも飛行機に乗るまで寝るのは我慢しようと、読みかけの本を読んでいました。

しばらく読んで、一息顔を上げた時に、

「何を読んでいますか?」と、隣から声が。
おじいちゃんが一人。
胸にペンを沢山挿していたのが心に残ります。

突然のことだったので正直びっくりしたけれど、
そのおじいちゃんがあまりにも穏やかな雰囲気過ぎて、
その時はとても自然な流れになった。

乱歩です。と答えた。
すると即座にヒライタロウだねえ。と返って来た。
ヒライタロウ?となっていたら教えてくれた。
江戸川乱歩の本名ですって。
どうやら文学に詳しい方のようで、
私はおじいちゃんに親しみを感じ楽しくなった。
そして手元の乱歩は閉じて、お話しした。

その後に、「自分は年甲斐もなく音楽鑑賞がとても好きで色んな曲を聴くの」とも言った。おじいちゃんが挙げた中に私が好きなアーティストの名前も出てきて、
そこでまた少し話が広がった。

同じ便に乗るということ以外に身の上を知らない者同士の会話にしては
へんてこな盛り上がり方ではあったけど、それが案外にも心地よく続いた。

搭乗が始まった後はもう顔を合わすことはなかったけれど、

何とも印象に残っています。


時、所違わば、もしかするとこの人とも気の合う仲間になり得たのかも知れないなあ。
なんて思った、ということ。

もしかするとこのような人は世の中に沢山いるかも知れない。
ただ、


出逢っているか出逢っていないかの違いで、しかしその違いは大きい。
そして多くはこのまま出逢わずに過ぎていくものだろう。

そう思いを巡らせてみれば、
だからこそ、今身近にいる、名前で呼び合える、気の置けない、大切な人たちとの
出逢い・縁・そして今ここまでのツナガリがどれほど尊いものか。
当然のようで、決して当然じゃないそんな事。
非常に運命的なものに思える。
いやきっと運命なのでしょうね。

「出逢い」とか「縁」とかこういう神秘的なものについて、
莫大な想いを募らせる事は出来ても、
私の拙い表現力ではやっぱり文字に出来ません。
でも、


思い切ってシンプルに言ってしまうとすれば、
とにかく大切に守り続けるべきものをすべての人が持っているんだと思う。
そしてそれはとっても素晴しい。

私も、今手の中にある様々な人とのツナガリ、それぞれへの想いを
絶対、絶対大切に守っていこうと思う。

今朝のひょんな出会いは、何か私に有意義なものを残してくれました。
なんだかとても心が気持ちのよい日。

そして、眠い。